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ウェールズのバラブリス(Bara brith)— 紅茶に浸した果実が「斑」になる、お茶のお供のパン

2026年06月27日 読了時間 約5分
ドライフルーツが斑模様に散ったバラブリスの断面

イギリス・ウェールズの伝統的なお茶のお供が「バラブリス(Bara brith)」です。ウェールズ語で「斑(まだら)のパン」を意味し、その名のとおり、生地いっぱいに散ったドライフルーツが斑模様をつくります。紅茶に一晩浸した果実をたっぷり練り込んだ、パンとケーキの中間のような素朴な一品です。この記事では、バラブリスとは何か、名前と歴史、そして「パンかケーキか」という作り方の違いを、出典を確認しながら整理します。

バラブリスとは何か

バラブリスは、ドライフルーツとスパイスをたっぷり加えたティーブレッド(お茶のパン)です。しっとりと密な生地に、レーズンやカレンズなどの干し果実が点々と散り、ほんのり甘くスパイスが香ります。

パンとケーキのちょうど中間のような存在で、薄くスライスしてバターを塗り、紅茶と一緒にいただくのが定番。ウェールズの家庭やティールームで、長く親しまれてきた焼き菓子です。

図:バラブリスの特徴

ドライフルーツの「斑」+スパイス+紅茶 ドライフルーツ 斑模様に スパイス ほんのり甘い 薄切り+バター お茶のお供

名前の意味と歴史

「バラ(bara)」はウェールズ語で「パン」、「ブリス(brith)」は「斑の・まだらの」という意味です。生地のなかに干し果実が点々と散る様子を、そのまま名前にしたものです。

バラブリスの歴史は古く、少なくとも18世紀にはさかのぼるとされます。かつては農家のごちそうとして、パン生地に余りの果実や砂糖、スパイスを混ぜて焼かれていました。紅茶に果実を浸す作り方が広まったのは、紅茶が家庭に行き渡ったことと関わりがあると考えられます。

図:名前の成り立ち

bara(バラ) =パン brith(ブリス) =斑・まだら

パンかケーキか — 二つの作り方

バラブリスには、大きく二つの作り方があります。

ひとつは伝統的な酵母パン式。イーストでふくらませたパン生地に、果実やスパイスを練り込んで焼きます。もうひとつは現代的なケーキ式で、ふくらし粉入りの小麦粉(セルフレイジングフラワー)を使い、前夜から紅茶に浸しておいたドライフルーツを混ぜて焼きます。

果実を一晩紅茶に浸すのは、どちらの作り方にも共通する大切な工程です。果実がふっくらやわらかく戻り、紅茶の風味が生地全体に行き渡ります。

図:二つの作り方

共通:果実を一晩紅茶に浸す 伝統:酵母パン式 イーストでふくらませる 現代:ケーキ式 ふくらし粉を使う

日本の家庭での活かし方

バラブリスは、紅茶とドライフルーツがあれば、家庭でも気軽に楽しめます。

  • 果実は前夜から紅茶に浸す:レーズンやカレンズ、ミックスフルーツを、濃いめに淹れた紅茶に一晩浸します。ふっくら戻り、風味も豊かになります。
  • パン式かケーキ式かを選ぶ:手軽に作るならベーキングパウダー入りの薄力粉でケーキ式、しっかりパンとして作るならイーストの酵母パン式で。
  • スパイスで香りづけ:シナモンやミックススパイスを少々加えると、より本場らしい香りに。
  • 薄切りにバターを塗って:焼き上げて少し置き、薄くスライスしてバターを塗ると、お茶のお供にぴったりです。日もちもするので、作り置きにも向きます。

オーブンや型によって焼き時間は変わります。中心まで火が通っているか、竹串を刺して確認してください。

参考にした情報源

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