世界のパンニュース

コロンビアのチーズパン「パン・デ・ボノ(Pandebono)」|小麦不使用のもちもちグルテンフリー

2026年06月24日 読了時間 約5分
黄金色の丸いロールパン

コロンビアの定番おやつ「パン・デ・ボノ(Pandebono)」は、小麦粉を使わずに、キャッサバ(ユカ芋)のでんぷんとチーズ、卵で作る、外はカリッ・中はもちもちのパンです。小麦不使用なので、自然とグルテンフリー。この記事では、その材料と「小麦を使わない」理由、独特の食感が生まれる背景、そしてブラジルの「ポン・デ・ケージョ」との違いを、出典を確認しながら整理します。

※トップの写真はイメージです(プレーンな丸いロールパン)。チーズ入りのパン・デ・ボノそのものではありません。

材料と「小麦不使用(グルテンフリー)」という特徴

パン・デ・ボノの土台になるのは、小麦粉ではなく、キャッサバ(ユカ芋)由来のでんぷんです。伝統的なレシピでは、発酵させたキャッサバでんぷん(almidón de yuca agrio)にコーンスターチ(fécula de maíz)、砂糖、そしてチーズ(地域では queso costeño などの塩気のあるチーズ)と卵を合わせて作ります。

小麦粉を使わないため、結果としてグルテンフリーのパンになります。小麦を避けたい人にも向くおやつとして紹介できるのが特徴です。なお、地域や家庭によってはトウモロコシ粉(masarepa)を加えるレシピもあります。

図:パン・デ・ボノの主な材料

小麦を使わない生地の構成 キャッサバ でんぷん コーン スターチ 塩気のある チーズ 卵・砂糖 少量

もちもちの食感と、発祥地のこと

パン・デ・ボノの魅力は、なんといってもその食感。キャッサバでんぷんとチーズが生む、外側のカリッとした皮と、内側のもっちりした弾力のコントラストです。焼きたてが一番おいしいとされ、コロンビアでは朝食やおやつ、ホットチョコレートのお供として親しまれています。

発祥地は、コロンビア南西部のバジェ・デル・カウカ(Valle del Cauca)地方とされています。名前の由来については、「エル・ボノ(El Bono)」という地名やハシエンダ(農園)に結びつける説などが伝えられていますが、はっきりした記録は限られており、ここでは「〜とされる」話として紹介するにとどめます。

図:外はカリッ、中はもちもち

2つの食感のコントラスト 外:カリッ 中:もちもち

ブラジルの「ポン・デ・ケージョ」との違い

キャッサバとチーズで作るもちもちパンといえば、ブラジルの「ポン・デ・ケージョ(pão de queijo)」を思い浮かべる方も多いはず。両者はよく似ていますが、いくつか違いがあります。

ポン・デ・ケージョは基本的にキャッサバでんぷんが主役で、より「のび」のある弾力が特徴です。一方パン・デ・ボノは、トウモロコシ粉(masarepa)を加えるレシピもあり、その分よりパンらしいまとまりが出る傾向があります。どちらもチーズの塩気が効いた、小麦不使用の親戚のようなパン、と考えると分かりやすいでしょう。

図:パン・デ・ボノとポン・デ・ケージョ

パン・デ・ボノ(コロンビア) トウモロコシ粉でパンらしく ポン・デ・ケージョ(ブラジル) でんぷん主役でよくのびる

日本の家庭での活かし方

特別な材料が必要に見えますが、日本でも手に入るものでぐっと近づけられます。「小麦を使わないもちもちチーズパン」として、おやつや軽食におすすめです。

  • タピオカでんぷんで代用する:発酵キャッサバでんぷんは手に入りにくいので、製菓材料店などで買えるタピオカでんぷん(タピオカ粉)で代用できます。ただしタピオカでんぷんとキャッサバ粉(全粒)は別物なので、パッケージの表示を確認して選んでください。
  • チーズは塩気と硬さで選ぶ:本場の queso costeño は日本では入手しにくいので、フェタ、モッツァレラ、パルメザン、さけるチーズなどを組み合わせて、塩気と弾力を補うと近い味になります。
  • グルテンフリーのおやつとして:小麦粉を使わないので、小麦を控えたい人にも出しやすいおやつです。原材料表示はよく確認してください。
  • 少し甘くしてアレンジ:砂糖を少し増やしたり、生地にグアバペーストを少量包んだりすると、甘めのアレンジも楽しめます。

焼き時間や温度はレシピや生地の状態で変わります。焼きたてのもちもち感が魅力なので、できたてを味わうのがおすすめです。

参考にした情報源

← 前の記事
スイスの三つ編みパン「ツォップ(Zopf)」|日曜の朝に焼く甘くない編みパン
次の記事 →
ジャマイカの食パン「ハードドウブレッド(Hard dough bread)」|ほんのり甘い目の詰まった白パン

🍞 この記事を読んだ人は、次の1本へ

同じテーマ・同じ国の記事から、続けて楽しめる一本をお届けします。

木の板にのせた粗塩入りフォカッチャ・ジェノヴェーゼ
▶ 続けて読む イタリア
フォカッチャ地方紀行:ジェノヴァの塩とオイル、レッコのチーズ
6/11