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スイスの三つ編みパン「ツォップ(Zopf)」|日曜の朝に焼く甘くない編みパン

2026年06月24日 読了時間 約6分
黄金色に焼けた三つ編みパン(ヘーフェツォップ)

スイスの食卓で日曜の朝の定番として親しまれているのが、つやのある三つ編みパン「ツォップ(Zopf)」です。小麦粉・牛乳・卵・バター・酵母で作る、見た目はリッチでも甘さは控えめ。卵と牛乳を塗って焼くことで、黄金色のつやが生まれます。この記事では、ツォップとは何か、地域ごとの呼び名と編む伝統、そして歴史的な背景を、出典を確認しながら整理します。

※トップの写真はイメージです(粒砂糖をのせたドイツ式のヘーフェツォップ)。砂糖を使わないスイスのツォップとは仕上げが異なる場合がありますが、編み方や黄金色のつやは共通します。

ツォップとは何か――甘くないのが特徴

ツォップはスイスを中心に、オーストリアやドイツでも食べられている三つ編み形のパンです。材料は白い小麦粉・牛乳・卵・バター・酵母とシンプル。最大の特徴は、見た目のリッチさに反して甘くないことです。ユダヤ教のハッラー(challah)やドイツの菓子パン「ヘーフェクランツ」と形は似ていますが、ツォップは砂糖をほとんど使わない食事パンに近い位置づけです。

焼く前に溶き卵(牛乳を合わせることも)を塗るのが定番で、これが特徴的な黄金色のつやを生みます。生地はしっかりこねてなめらかに仕上げ、二次発酵をとってから焼き上げます。砂糖を抑えるぶん、バターと卵のコク、そして編み目の見た目の美しさで楽しませる――そんな性格のパンです。

図:ツォップとよく似たパンの位置づけ

三つ編みパンの「甘さ」の位置づけ 甘くない 甘い ツォップ ハッラー ヘーフェクランツ

地域による呼び名と、編む伝統

スイスは多言語の国で、ツォップの呼び名も地域によって変わります。ベルン地方のドイツ語では「Züpfe(ツュプフェ)」、フランス語圏では「tresse(トレス)」、イタリア語圏では「treccia(トレッチャ)」と呼ばれます。いずれも「三つ編み」を意味する言葉です。エメンタール地方などでは、長い三つ編みを「メートル単位」で量り売りする店もあるといいます(Helvetic Kitchen ほか)。

家庭で編むなら、まずは2本の生地を使った編み方が分かりやすく、初心者にも仕上がりがきれいです。

図:呼び名は言語圏で変わる

独語(ベルン) Züpfe フランス語圏 tresse イタリア語圏 treccia

歴史的・文化的な背景

ツォップの起源については、いろいろな言い伝えがあります。なかには「中世以前から」「お墓に供える編んだ髪に由来する」といった説も語られますが、これらは裏づけが乏しく、ここでは事実として断定はしません。

比較的たどれる範囲では、ベルンのパン職人がかつてこのパンを焼いていた記録や、ある時期にはツュプフェを特定の祝日にしか焼けないよう制限していた話、そして年間を通して焼く権利を求めた経緯などが伝えられています(Helvetic Kitchen)。こうした逸話は資料によって細部が異なり、一次資料で裏づけきれない部分もあるため、ここでは「そう伝えられている」話として紹介するにとどめます。確かなのは、ツォップが今日まで「日曜の朝のパン」としてスイスの暮らしに根づいている、という文化的な事実です。週末や祝日、人が集まる席で食卓に並ぶ、特別感のあるパンとして親しまれ続けています。

図:日曜の朝のツォップ

日曜の朝食の定番 バターやジャムを添えて

日本の家庭での活かし方

ツォップは特別な材料がいらないので、日本の家庭でも作りやすいパンです。「甘くない三つ編みパン」として、朝食やサンドイッチの土台にも向きます。

  • まずは2本編みから:3本・4本編みは難しく感じるので、最初は2本の生地を交差させていく編み方がおすすめ。形が崩れにくく、きれいな模様になります。
  • 発酵バターでコクを出す:本場の風味に寄せるなら、発酵バターを使うと香りとコクが増します。普通のバターでも十分おいしく焼けます。
  • 卵を2回塗ってつやを出す:成形後と焼く直前の2回に分けて溶き卵を塗ると、より深い黄金色のつやに仕上がります。
  • 甘くしないのがポイント:菓子パンにせず、砂糖は控えめのまま焼くのがツォップらしさ。週末の朝に焼いて、バターやジャム、ハム・チーズを添えれば、休日の朝食がぐっと豊かになります。

焼成温度や時間はレシピや家庭のオーブンによって幅があります。表面が濃くなりすぎる場合は途中でアルミホイルをかぶせて調整してください。

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