コロンビアの定番おやつ「パン・デ・ボノ(Pandebono)」は、小麦粉を使わずに、キャッサバ(ユカ芋)のでんぷんとチーズ、卵で作る、外はカリッ・中はもちもちのパンです。小麦不使用なので、自然とグルテンフリー。この記事では、その材料と「小麦を使わない」理由、独特の食感が生まれる背景、そしてブラジルの「ポン・デ・ケージョ」との違いを、出典を確認しながら整理します。
※トップの写真はイメージです(プレーンな丸いロールパン)。チーズ入りのパン・デ・ボノそのものではありません。
材料と「小麦不使用(グルテンフリー)」という特徴
パン・デ・ボノの土台になるのは、小麦粉ではなく、キャッサバ(ユカ芋)由来のでんぷんです。伝統的なレシピでは、発酵させたキャッサバでんぷん(almidón de yuca agrio)にコーンスターチ(fécula de maíz)、砂糖、そしてチーズ(地域では queso costeño などの塩気のあるチーズ)と卵を合わせて作ります。
小麦粉を使わないため、結果としてグルテンフリーのパンになります。小麦を避けたい人にも向くおやつとして紹介できるのが特徴です。なお、地域や家庭によってはトウモロコシ粉(masarepa)を加えるレシピもあります。
図:パン・デ・ボノの主な材料
もちもちの食感と、発祥地のこと
パン・デ・ボノの魅力は、なんといってもその食感。キャッサバでんぷんとチーズが生む、外側のカリッとした皮と、内側のもっちりした弾力のコントラストです。焼きたてが一番おいしいとされ、コロンビアでは朝食やおやつ、ホットチョコレートのお供として親しまれています。
発祥地は、コロンビア南西部のバジェ・デル・カウカ(Valle del Cauca)地方とされています。名前の由来については、「エル・ボノ(El Bono)」という地名やハシエンダ(農園)に結びつける説などが伝えられていますが、はっきりした記録は限られており、ここでは「〜とされる」話として紹介するにとどめます。
図:外はカリッ、中はもちもち
ブラジルの「ポン・デ・ケージョ」との違い
キャッサバとチーズで作るもちもちパンといえば、ブラジルの「ポン・デ・ケージョ(pão de queijo)」を思い浮かべる方も多いはず。両者はよく似ていますが、いくつか違いがあります。
ポン・デ・ケージョは基本的にキャッサバでんぷんが主役で、より「のび」のある弾力が特徴です。一方パン・デ・ボノは、トウモロコシ粉(masarepa)を加えるレシピもあり、その分よりパンらしいまとまりが出る傾向があります。どちらもチーズの塩気が効いた、小麦不使用の親戚のようなパン、と考えると分かりやすいでしょう。
図:パン・デ・ボノとポン・デ・ケージョ
日本の家庭での活かし方
特別な材料が必要に見えますが、日本でも手に入るものでぐっと近づけられます。「小麦を使わないもちもちチーズパン」として、おやつや軽食におすすめです。
- タピオカでんぷんで代用する:発酵キャッサバでんぷんは手に入りにくいので、製菓材料店などで買えるタピオカでんぷん(タピオカ粉)で代用できます。ただしタピオカでんぷんとキャッサバ粉(全粒)は別物なので、パッケージの表示を確認して選んでください。
- チーズは塩気と硬さで選ぶ:本場の queso costeño は日本では入手しにくいので、フェタ、モッツァレラ、パルメザン、さけるチーズなどを組み合わせて、塩気と弾力を補うと近い味になります。
- グルテンフリーのおやつとして:小麦粉を使わないので、小麦を控えたい人にも出しやすいおやつです。原材料表示はよく確認してください。
- 少し甘くしてアレンジ:砂糖を少し増やしたり、生地にグアバペーストを少量包んだりすると、甘めのアレンジも楽しめます。
焼き時間や温度はレシピや生地の状態で変わります。焼きたてのもちもち感が魅力なので、できたてを味わうのがおすすめです。
